川崎フロンターレ問題

今日は、ローマに来ている。明日のLAZIO戦のためである。選手は、飛行機で来たが、ドクターの車を誰かが持っていかなければならないため、同僚が運転することになり、助手席に私が座った。
VARESE(練習場)からROMAまで600kmである。4時間半ちょっとで着いたが、途中、ガソリン補給で止まって、事故渋滞もあったから かなり飛ばしたことになる。


昨日、インタ―ネットのニュースを見てナビスコの優勝はどこかと思ったらFC東京のことより川崎フロンターレのことの方が話題になっていて、何が起こったのか調べてみたら選手が準優勝のメダルを受賞してすぐに外してしまったことが問題となったようだった。
ニュースの情報だけで 自分の意見を書くのは、良くないかもしれない。したがって、そう思う人は、この先を読まないでほしい。何しろ情報が少ないし、現場を見ていたわけではないわけだし。

ところで、前置きはこのくらいにして本題に入ろう。
①もし、優勝チームが同様な行為をしたらどうなっていただろうか。
②もし、半数の選手が外して、その半数がつけていたらどうなっていただろうか。
③もし、受賞して メダルを外す行為を見ていたJリーグ関係者、または、フロンターレの関係者がその場で助言していたらどうなっていただろうか。
「もし」を言ってはならないのは承知である。

この問題は、フロンターレの役員、選手が、問題視されているが、これは、もっと根が深い気がする。
日本の教育では、公の場で自分の考えを示すことは、良いとされていない。
① 自分だけ違う行為をすることは、恥ずかしいことである。
② 注意する必要があるなら 誰かが言ってくれるはずで自分が言うことは無い。
これらが我々には、植えつけられている気がする。
例えば、集合時間に遅れることは、他人に迷惑をかけるとか、団体行動が出来なくなってしまうということよりも、人と違うことは、いけないから遅刻は良くない。そのぐらいに考えている選手もいるのではないだろうか。

もし、このような気持ちが潜在的になかったら選手全員が、メダルを外す行為はしなかっただろうし、その行為に対して誰かが何かを助言したはずである。
そして、普段からこれに似た出来事が起こっているはずであり、それが解決されていない文化というか環境なのではないだろうか。
例えば、食事のマナーについてとか、使用した練習着の洗濯籠への入れ方とかである。
イタリアでは、食事の態度が非常に悪い選手もいるが、良い選手もいるし、使い終わった練習着をきちんと裏のまま入れずに表にして重なった物ははがして洗濯しやすくして籠に入れる選手もいる。それぞれが自分の価値観を持って生活している。
そして 目に余るような行為が誰かにあった場合とか、他人を不快にするような行為があった場合は、それを誰かが注意をし、それをその相手が無視したら、それを見ていた周りの仲間が正しい者に賛同し、注意した者を助けるための意思を示すのである。

今回の件は、「全員がやってしまったこと」、「誰もが何も対応しなかったこと」が、致命的だ。
そこには、「自分の意思を示せない」、「注意できない」、「俺には関係ない」の三拍子が重なってしまったような気がする。「赤信号、みんなで渡れば怖くない。そして 交通事故、全員重傷」ということではないだろうか。

反省文を書かせても大半の選手は、何を書いて良いか分からないであろう。そして、悪いことをしてしまったとの反省をするだけで、根本の原因が分かっていないで終わるだろう。
また、これを読むのは、Jリーグの関係者なのか、フロンターレの社長なのか知らないが、根本を考えてほしいものである。
普段から、自分の意思を示すことに小さい頃から慣れていれば、自然とこのようなことは起こらなくなるのではないだろうか。




Photo こんなスピードでもAUDIは心地よい感じだった。

コメント

  1. 日本人の悪いところはイエス、ノーをはっきり意思表示しないこと。つまり、相手が察してくれるのを待ってるんだよね。
    だから「目に余る行為や人を不快にしたときに注意できる行動がとれる」これは今の日本人にはできないんだよね。
    なぜできないのか、やらないのかの根本を正さないと解決しないよね。これは日本の教育の中が自分で判断したり、考え出す教育をしてないからなんだと思うよ。つまり、多くを経験させて失敗させてそのなかから自分で判断して行動を選択することをさせていない、たとえば危ないこと(失敗すると怪我することなど)は最初から指導者、先生がさせない。だから、どうなると危ないのか、怪我するのかがわからない、だから行動できない。
    これだけじゃないんだけど、こんなところに日本の危機があると思うよ・・・

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  2. いつもタイムリーな話題提供に感心します。
    最近は落ち着いてきた後輩、森選手またやっちゃいま
    した。川崎の外国人選手も日本人化しているのかな。
    確か「ドーハの悲劇」の時にも表彰式に日本人選手出
    席せず問題になったことがあったような?
    Good loserの精神って日本サッカー界では成熟して
    いなかったと。やはり教育の問題でしょうか。
    その後の川崎の対応もまあ早かったし、今回のような
    ことを経験して成長していくしかないんでしょう。
    サッカーは「子供を大人に、大人を紳士に育て上げる」
    日本はまだサッカー発展途上国なんです。

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  3. ウェブの報道でしかこのニュースについて知ることができなかったので
    何ともコメントのしようがないのですが
    選手ひとりひとりがどういう気持ちだったのか
    また謝らなければならないようなことを
    本当にやってしまったと思っている選手がどれだけいたのか

    それよりもことさらにこういうことを大きくかき立てる
    報道にもまた問題ありな気がしています。

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  4. オリンピックで以前、優勝できずにメダルをはずしたり、国歌演奏のときに雑談していて、選手資格を剥奪されたアスリートがいたように記憶しています。

    表彰式で、メダルをはずしたり、表彰者との握手を拒んだりすればどういう評価を受けるか、常識で考えればわかると思うのですが、幼稚なんだなあというのが、私の感想です。

    ただ、大騒ぎの元は犬飼会長だったので、正直またかぁと思ったのも事実です。フェアで無いことも含めて個々が責任を負うのがプロだとすれば、トップがあれこれ唐突に教育的?指導を繰り返しているのが、合わせ鏡のように影響しているようにも感じます。

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