フィジカル4

フィジカルについて何回か書いているが、以前にピアニストの練習について「ピアニストは、ピアノを演奏することが ウォーミングアップであり、トレーニングである」と書いたが、それは間違っていないようだが、それですべてが上手くいくほど簡単なものではなさそうだ。
以前より、15歳の少女(日本人の母、イタリア人の父)を診させてもらっているが、色々と話を聞かせてもらって、ピアニストのトップクラスもフィジカルの重要性をサッカー選手以上に感じている。
ピアニストのトップクラスは、一日5時間から8時間もピアノを引くそうである。(サッカーはたった2時間である。)
この練習量に耐えるだけのフィジカルを備えているかどうかがとても重要となる。
ある程度の技術があっても練習をこなせるだけのフィジカルを備えていなければプロの道を断念しなければならない。そして、腱鞘炎などの慢性痛を持っていれば、ある意味で、プロとして大きな障害となる。
まず このピアニストを見てほしい
彼女は、姿勢も決して良いとは思わないし、こんなでやっていけるのだろうかと思うが、身体も大きいし、頑丈なのだろう。日本人には絶対真似できないタイプである。
そして このピアニストはどう感じるだろうか
スリムであり、姿勢が良く無理な力が入っていない感じで、身体がバランス良く動いている感じがする。
そして最後は、このピアニストである。
身体全身を使っている。彼女は、こうしないとピアノが引けないのではなかろうか。
以上3者の違いを私の独断で勝手に解釈したが、要は、自分にあったフィジカルでピアノに対応している。ピアノの鍵盤の大きさは同じであり、自分にあったピアノは通常持ち運びできないので ピアノに合わせた引き方をそれなりに作りだしているし、作れなかったピアニストは、トップの世界から降りているのだろう。
これは、サッカー界でも同じなのであろう。真似しては勝てないのだ。
先日 彼女のお母さんがあるピアニストがかなり椅子を高くしているYOUTUBEを発見し、試してみてはと提案してきた。私も「良く見つけましたね。」これがすべてだと思い、これで前腕の痛みは取れるだろうと確信した。そうそう椅子を高くしてみたら 今までの前腕の痛みは日に日に楽になり、練習量を増やすことが出来るようになったのである。
そして、お母さんには、「数週間したら肩か首に違和感が出てくるからね」と前もって言っておいたが、案の定 それから2週間して、今度は、肩の違和感を訴えて来た。これは、今まで使っていなかった筋を使い始めたための問題であり、ストレッチングを十分にやれば解消することを伝え、彼女も実行したようで解消した。
身体の慢性痛は、絶対に何らかの動きのストレスからくるものである。頑丈な身体の者には 無縁なことであるが、小さい人はそれなりの工夫と想像が必要となるのだろう。
若い頃、川鉄千葉病院のスポーツ医学勉強会に参加して、「野球選手の投球動作の分析」で、肘が肩より高くなければいけないことを学んだ。そして、バレーボール、テニスでの打点のポイントの重要性を勉強したが、ピアノでも肘の角度が90度以上でないと手首、肘に負担が掛かることを今回、経験した。
何でも原因があるのだと改めて思った。

コメント

  1. 無理な筋肉の使い方をするとどっかにひずみがくるってことなんでしょうかねぇ?

    返信削除
  2. すばらしい!大変参考になりました。
    我が家のpianistにも伝えます。

    返信削除
  3. 面白いサンプルですね。
    それぞれホームポジションというか、椅子の最初の腰掛け方が違います。
    ちょうどFKの蹴り方ぐらいそれぞれだな…と思いました。

    すると使う筋肉も、きっと音も、変わるだろうと思います。
    やはり「それぞれ」なだけに、対処もそれぞれ個別になりますね…

    返信削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

日本のプロスポーツ界における医療システムの未熟さ(1)

staff meeting

お知らせ