おじいちゃん指導者

 1月にブラジルから親友が来てくれた。
FUMIO MIASIROさんである。
彼は、日系2世半である。私がまだ 鍋島先生のところで勉強している時、サンパウロ大学医学部を卒業し、整形外科で膝を専門にしているということで川鉄病院と慶応大学病院へ留学している際に知り合った。
それから 私は2回ほど彼を頼りにサンパウロにサッカー見学に行ったり、清水エスパルスがキャンプ地としてブラジルに行った時などに向こうで会い、そして清水エスパルスが、ブラジル選手と契約する際のメディカルチェック等でお世話になっていた。
彼と気が合ったのは、医療関係のことよりもいろいろなビジネスにお互いに興味があったので、それで意気投合し、兄弟のような関係になった。
私は、ブラジルから ユニホームや、応援用のタンバリンを輸入したが、上手くいかなかったが、彼は、整形外科で使う日本の添木を持ち帰り、改良してビジネスを始め、成功している。
私が最後に彼に会ったのは、13年前であったからかなり会ってなかったのだ。
彼は、現在、医者を辞め、いくつかの会社および病院の経営をしており、最近は、弟と共にインターネットTVの会社を立ち上げ、そちらに力を注いでいる。以前より貫録が付いていたが、昔と変わらず、話に切れ味を持っていた。
最初は、昔話から始まり、ACミランの様子、ブラジルの様子を話し、そして 日本の話にもなった。
彼には、11歳になるANDREAという息子がいるが、彼もサッカーが大好きだそうで、サンパウロFCのサッカースクールに通っていると言っていた。
「ブラジルサッカー選手は、相変わらず、汚い言葉を使っているのか」と私が聞いたら、今はサッカースクールだからコーチがそういう言葉を使わせないから、良くなったらしい。
ブラジルも都会は、もう路上サッカーはなく、スクールサッカーである。スクールでサッカーをやるとは、日本サッカーに近づいているのだなと笑った。
はたして 今後、サッカースクールからロナルジーニョのようなブラジル代選手は育つのであろうか?少し興味を持っている。。
ACミランにもサッカースクールがあるが、指導者が丁寧に教えている。ブラジルもそうなのであろうか。
どこまで教えて、どこまで自由にやらせるのかが重要である。
教え過ぎたら、指導者以上にはならないだろうし、教えなかったスクールの価値が無くなる。
この辺の微妙な匙加減がポイントなのだろう。
最近、感じることは、磯部君も言っていたが、海外のサッカースクールの指導者は、おじいちゃんのような人が多い、彼らは、こんな少年が、将来どんな選手になるかというイメージを描けるのである。ロナルジーニョ、ロナルド等、天才的な現在のスーパースターの幼少時代を知っているのだ。
これは、絶対に若い指導者には、真似できないことである。
現役を終えてすぐにトップチームの監督になることは、ある意味簡単だが、荒削りな少年を見て、この子の将来のイメージを描くことはできないだろう。
日本には、おじいちゃん指導者が、少年を指導していない。ほぼ皆無であろう。みんな若い。
若い指導者が、生活指導、ボールの蹴り方、サッカーの個人戦術を教えることよりも、もっともっと大切な物を年配の指導者は、持っている。
育成一筋で30年の指導者の経験は、そう簡単に得れるものではない。
日本では、それが高校の有名指導者であるが、Jクラブでもそのような指導者がもう出てきても良い頃だし、各クラブのフロントは、そこを考えないと少年を見る目は養えない。
私は、エスパルス時代の最後の2年間を育成の仕事をした経験がある。
その時、ジュニアユースのセレクションで水野晃樹君を入れるかどうかで討論したことを憶えている。大変個性的な選手であったため意見が分かれた。結局、不合格としたが、そのような経験が重要なのだろう。
ぜひ、少年指導者は、現場で何年も続けてほしい。それがどんな物より価値がある。


コメント

  1. 日本も次世代をになう選手小さいうちから見つけて
    そしてきちんと指導していかないといけないということですね。

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