フィジカル2

昨日の試合は、完敗でした。
前回に続いてフィジカルについてもう少し書きたい。
サッカーにおいてのフィジカルは重要であると考えるのがモダンサッカーの常識である。
しかし、我々は、もう一度考え直す必要がありそうだ。フィジカルといっても、いろいろな意味があり、単に身体能力が高いことをフィジカルが良いと言ったり、身体の筋力バランスが良いということも、また そう言う。(これは最近、あまり重視されていないようだが、その身体にあったフィジカル、つまり整っているとでも言うのだろうか)
身体の筋力バランスが悪いがために年中肉離れとか、痛みを訴えている選手がたくさんいるし、良い物を持っていながら故障でサッカー界を去っていく選手も多い。そのような選手には、身体の筋力バランスをキチンと整えるという意味でフィジカルが重要視される。(前回の写真のような選手は、殿筋とか大腿四頭筋が強すぎるためハムストリングスの問題に年中悩まされている。)また、体幹が弱いため、身体のバランスが悪く、腰痛などに悩まされている選手も多い。(昨日のコメントにロナルディーニョではないかとあったが、彼のお尻は、これ以上に大きいから彼ではないのである)
世界のトップクラスの国の代表選手のフィジカルは、どうなのだろうか。
中には、化け物のような物凄いフィジカル(筋力がある)の選手もいるが、その反対にこんな身体でサッカーやれるの?という選手も必ずいる。このような線が細くて今にも倒れそうな選手でも、自分自身が身体的に他の選手に劣っているなどと全く思っていない。それは、なぜだろうか?
それは、選手自身が自分の身体的個性を重視しているからである。決して自分にない物、出来ない物を求めたりしていないからである。また、幼少時からフィジカルの強い大男と一緒にやっているので何とも思わないのである。
このような当たり前が日本には欠けているように思う。
サッカーという競技は、いかに巧み(相手をだまして)に、相手のゴールにボールを運ぶかという競技である。速く走ること、高く飛べること、身体が大きいことが、100%有利ということでは全くない。
サッカーの中に占めるフィジカルの重要性についてフィジカルコーチに聞けば、大変重要だと言うだろう(これは当たり前だ)
しかし、世界の監督は、フィジカルの重要性を日本人の監督よりも重要視していないと感じる。それは監督の仕事とは、どう戦うかを考えるからある。
どこの監督にも日本の真面目な研修者にフィジカルは重要ですかと聞かれれば、10人が10人大変重要であると答えるであろう。しかし、戦術、技術、フィジカルのなかで何が最も重要かと尋ねれば、どれも重要と答えるだろうし、少なくても戦術、技術以上にフィジカルの重要性を説く監督は、いないだろう。
そして、監督は、選手の個性的なフィジカルの特徴「球際の強さ」、「瞬間的な速さ」、「反転の速さ」をいかに試合で表現させるかを考えているのである。
これを見てほしい。
この選手は、以前ミランに所属していたフランス代表の選手である。サッカー
私もマッサージしたことがあるが、マッサージするほどの筋肉が無いのである。
こんな選手がフランス代表なのである。
日本にもっとフィジカルにおいて個性的な選手が少ないのは、選手発掘、および育成において世界と違った概念があるためではないだろうか。
私はそんな気がする。


みなさんは、どう感じますか?

コメント

  1. 監督さんの役割というのがはっきりしているのでしょうね。
    それ以外のこととかはしっかりそのコーチが見ているんでしょうし・・・
    世界では役割分担がきちんとしているのではないでしょうか。

    返信削除
  2. 確かに、一流選手なのに怪我ばかりして…というのは、衰えたからというよりもフィジカルバランスが崩れているからと理解するとしっくりきます。

    その為には他も鍛えるとか、あまり鍛えすぎないとかなんでしょうね??

    日本はフィジカルでもそうですが(考え方でもでもそうですが)個性的な選手が少ないから、でしょう。子供の時に「違う」という事を、私の世代は避けて来ました。今はどうだろう?
    あまり変わっていない気がします。

    日本からこそフィリッポインザーギのような「スペシャリスト」が生まれるべき!と思うんですけど、教育が良くないかもしれませんね。

    返信削除
  3. CL残念でしたね。フィジカルの話はとても興味深いです。タビビト中田氏が活躍し始めた頃、ライターの松井浩という人がnumberにコラムを持っていて身体感覚についてコメントしていたのですがこの人のバックボーンが高岡英夫という人でした。いろいろと評価の別れる御仁ですが、理論は判りやすく頭に入りました。
    インナーマッスルである長腰筋の発達と、これに連動するハムストリングの意識が語られているのです。私はサッカー選手を多く知りませんが、これで特に思い当たったのは、元日本代表の帰化選手ロペスワーグナー氏あたりでした。
    もっと身近で思い返してみると、同期の池田晃一君!や一期下の伊達君のイメージになります。

    返信削除
  4. 目からウロコが落ちた気がする。体を鍛え上げることによって得られる力に目を奪われると、「屈強な肉体」だけということになってしまう。
    無論、足の速さや高い跳躍力や当たりの強さが「物理的」に有利なことは言うまでもないのだが。
    あまりうまい表現ではないけれど、広い目で見るフィジカルとは、技術や戦術をイメージどおりに実行するための個人の土台を指すのではないだろうか。
    個人によってその中身も千差万別、知らなかったがトラゾー選手、面白いね。

    返信削除
  5. 個人技術の指導方法を見直せばいくらでもクリアーされる要素はあるように思います。発想とか習慣やものの考え方。そんなことをしてきた人がいるからここまで日本は近づいたんじゃないのかと。走り方。バランスをとるための手の使い方。ボールの捕らえ方。距離の違いでフォームが変わってしまうこと。など。特に手についてのサッカーの指導は全然未開発区域じゃあないかなと。重心の位置も日本人は低いところにあるけれど世界はもっと上にあると感じます。ゴルフや野球の指導を応用したらキックのスキルは格段に向上すると考えます。チャンピオンズリーグの選手の走り方や手の使い方をみてるだけですっきりします。kageyama

    返信削除

コメントを投稿

人気の投稿