チームドクターの仕事



ご無沙汰してます。
更新がないからミランを辞めて 本帰国したのかと思っている方もいるかもしれませんね。まだ、ミランで働いています。

ところで、今日のタイトルは「チームドクターの仕事」という何か重いタイトルしましたが、当時30歳の若僧の私が、初めて清水エスパルスの医療グループを立ち上げた時にチームドクターのあり方を、今は亡き堀田先生と激論をした事を憶えてます。

私は、現場優先から整形外科医がチームドクターであるべきだといい、しかも専従でなければいけない。筋のトラブルとか捻挫した際の試合への出場の有無は、整形外科医でなければできないと思っていました。また、当時、サッカーの現場には整形外科医しかいない状況だったし、専従のドクターを持っていたのは、読売クラブだけだったと思います。

先生は、内科医でも問題なく、試合にでれるか迷った時などというのは、もう試合にでれないのと同じだから、そこには」整形外科医でなくてもいいはずだ。清水の医師会の先生方はみんな協力してくれると言っている。
そして、チームドクターは、むしろコーディネートができることが重要だと主張した。特に手術の際も、そのスペシャリスト中のスペシャリストに依頼できるからだと言うのである。

しかし、ここはプロサッカーの歴史をもつブラジルではなく日本であり、日本の内科医のスポーツドクターレベルはそこまでに達していない。肉離れや、捻挫など診たこともないのだからちょっと無理だよ先生!と私は、対抗した。

最終的には、部長が、両方の言い分を上手く調整してくれ、内科医で清水市立病院勤務の三神先生がオーガナイザー的ドクターとなってくれ、現場の専属ドクターとして、焼津市立病院の整形外科医の福岡先生が受けくれ、、当時のJリーグでは、ダントツに進んだ医療システムができたと自負していた。
現場の怪我等は、すぐに対応でき、即決し、怪我した当日に手術もしたことがあった。そして、選手だけでなく、選手の家族も含め、ホームドクター的には、清水市立病院の協力を得て、三神先生がすべてコーディネートし、その日の内に眼科、耳鼻科等あらゆる科の受診も出来たので、外人選手の家族には大変喜ばれた。やはり、自分が今、海外にいて、海外での病気はちょっとしたことでも心配であり、選手も安心して遠征に出かけることができることはありがたい。

それから 十数年経ったある日、 同僚の大木武君が他クラブに所属して、監督業をしていたが、当たり前と思ったエスパルスの医療システムにびっくりしたよ。未だに多くのクラブが怪我に対しての対応は出来ていても、その他の対応、例えば、選手のための耳鼻科、眼科等、何も対応できないのが現状だよ。増してや家族のことまで対応していたから、今考えたら凄いことをやってたんだなと賛辞をくれた。
すべては、三神先生、福岡先生のおかげであり、それをバックアップしてくれた清水市立病院、焼津市立病院、医師会等のみなさんが、「俺らの街のサッカークラブ 清水エスパルス」の意識で対応してくれていたからだろう。

今のJリーグは、どうなんだろうか?

これからのクラブのチームドクター、医療チームは、どうあるべきなんだろうか。ということについて 何回かに分けて書いていきたい。
(希望であり、願望で 次回がいつになるか分かりませんが!)


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