私は日本人である!

私は、トップチームの仕事について2年目頃、GATTUSO選手の言うことを聞かなかったらしく(私は無視したつもりもなかったし、見下したことを言ったつもりもなかった)、ある時から口を利かなくなり、あいさつすらしなくなった。
当初は、こちらからはあいさつしていたが、相手が無視するならこちらも無視してやる(売られたケンカは買ってやる)と思い、それから5年間全く口も聞かなかったし、彼に対しての仕事も一切しなかった。私も強情だが、彼も強情な人間で引かないし、勢いがあった。彼からしてみれば、私は虫けらのような存在だったかもしれないが、私も精一杯の力を振り絞ってがんばって意地を張った。
この喧嘩100%勝つ見込みがないし、この中心選手のGATTUSO選手にこんなことをするのは相当の大物か、もしくは、全然分かっていない者で、こんなことする同僚は誰もいない。
後になってから凄いことを私はしてしまったのだと思ったが、今さら謝る気もしないし、第一謝る理由もない。
女房からは、「どうしてそんなことするの?あなたには、4人の子供がいるのだから、首になったら困るでしょう!適当に謝っておけば良いでしょ!腹でどう思ってても良いのだから」と言われたが、「悪いこともしていないのにどうして謝るのだ!これが原因で首になったら しょうがない。日本に帰ろう!」と言った覚えがある。
今でも考えれば、ぞっとするが、その時は、「どんなに凄い選手だろうと日本人をバカにする様な相手にはキチンと対応する。それが、海外で働く日本人のポリシーだ」ぐらいに思ったのである。これは、海外で働く人なら何回か思ったことがあると思う。
私の大の親友は、「口を利かないは良いが、あいさつは最低のマナーだからそれだけはした方が良いよ」とまで言われたこともあった。
ずっとこの状態でいくのかなと思っていたが、一度だけ、彼から口を利いてきたことがあった。
それは、ヨーロッパ チャンピオンズリーグで優勝が決まった時の更衣室であった。
さすがの彼もこの時は本当に嬉しかったのであろう。素直な気持ちで私に「ありがとう」と言ってきた。今考えれば、それが仲直りのためのあいさつだったのかもしれないが、こちらはそれを軽く流し、また 平行線が続いた。

次回に続く

















Poto:仲が良かったころ二人!まだ若った





コメント

  1. 日本人が受ける人種差別。日本に住んでいる日本人にはぜったいわからないだろうけれど,白人の国に住んでいると,多かれ少なかれ感じます。私たちは,こういう国では少数民族なのだから仕方がない。
    そういうとき,日本人として毅然とした態度を取るのか,適当にあしらってその場をしのぐのか,これはケースバイケースでしかないでしょう。Tomonoriくんが,そのときに「ここで適当にあしらってはいけない」と思ったのであれば,それなりの理由があるわけで,それは正しかったのだと思います。
    でも確かに,それ以上に,仲直りのタイミングはむずかしいね。
    続きに期待しております。

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  2. ここでもエディさんと同じですね。
    でもここアメリカはもっと他民族国家なので
    いいのか悪いのかもっとややこしいこともあります。
    いろんな人種がいすぎるので・・・

    相手に対してどのような態度をとるのか
    それはご自分の意志で決められたことでしょうから
    ご自分の意志を通されてもいいでしょう。

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  3. http://news.livedoor.com/article/detail/4558927/

    富士では色々お話聞かせていただきありがとうございました。
    日本は嫌な世の中になりそうです。イタリアから帰国されるころには円はズタボロになるかも知れませんね。
    今後ともIさんの良きアドバイザーになってあげて下さい。

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