分かっている人は、分かっている



今日は、有意義な日だった。私のサッカーの師匠というか、私の担当選手が、いつもの毒舌で、若い選手に淡々と語りはじめた。
その内容がまさしくドンぴしゃり、サッカーというものを100%理解しているというか、物の道理を理解しているというか、この師匠は、教えられることなく、常に考えてサッカーをやってきたんだなーとつくずく感じた。

彼の訓示は、こうであった。
「お前は、スーパートップトップ選手になると言われて4年経っているのに、何ゴールしたんだ?」
これから始まって、「例えば、ロナルドは、2回も大怪我をしたし、練習に遅れたり、お酒も、タバコもやっていたし、いろいろ問題もあったが、彼の成績を知っているか?どこに出してもみんなが納得するすばらしい結果を出して現役を終了したんだ。これぞスーパースタートップトップだ。お前は、いつも怪我ばかりしているじゃないか!」

ここまでは、ごく普通の選手の意見である。
ここからが、この師匠のすごい洞察力だ。
「もっと自分の身体とプレーの質を考えろ!練習では、いつも軽い動きしかしていないのに、試合で50Mダッシュを何十本もしていれば、頑丈な身体だって壊れないほうがおかしい。それにお前の上半身は何だ!シュワルツ ネッカーか、まるでボディービルディングの選手じゃないか!」
「ベットに寝て(治療)いるのも良いけど、そこの根源を考えてみろ!いつまで経ってもスーパースタートップトップにはなれないぞ!」
と言うのである。全くその通りである。
「私も100%これに同意します」と 私もそこで言ってしまった。

いかに強い身体を作るかということよりも、いかにして怪我をしないような選手になるか。いかにサッカーに適した身体を作るか。もっと突き詰めて言うならば、その選手(プレースタイル)にあった身体を作るかが重要である。
人間の身体は、刺激を与えなければ、衰退し、刺激を与えすぎれば、壊れてしまう。その種のスポーツ、その選手のプレースタイルにあった適度な刺激が重要だ。そのために試合の分析は、とても重要だ。
そして、自分自身が何をすべきかを考えなければいけない。ただ、コーチの言う通り、トレーナーの言う通りにしても何も解決はしないのだ。トレーニングは、何でもやれば良いというものではない。 自分なりに自分の身体を考え、それから、実行することである。
これをこの師匠は、自分の経験から常に考えて、そして、積み重ねてきたのだろう。
彼自身のお腹を見ると自分はどうなの?といいたくなる人もいるかも知れないが、評論家としては、すばらしい的確な指摘である。
我々スタッフは、常に大局(試合)を見て、考えながら、治療、そして、フィジカルメニューを選手に与えなければいけない。

レイモンド氏のような人こそ究極の監督のアシスタントと言えるのではないだろうか。
是非、この紹介コラムを読んでください。

世界の最前線で活躍するコンディショニングコーチ






コメント

  1. 私も100%これに同意します!
    アスリートを治療する側からしても「ケガをしない身体」を求めるのが、本来の姿だと思います。
    肝に銘じて、頑張ります!

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  2. 自分の身体を知るってことも、選手の仕事のひとつなのですね。そして、伸びるか伸びないかを決めるセンス・才能のひとつなのだと思いました。
    先日goal.comに、ギグスの記事が載ってまして、"ヨガを続けてるから、この歳まで現役でいることが出来る。脚力強化・体幹安定・柔軟性増加、柔軟性があると怪我の予防にすごくいいんだ!"
    静のヨガと動のサッカー。
    そんな風に、トレーニング方法を上手に選択出来ることは、やはり一流の選手なんだと思いました。 負傷してる選手達に早く戻ってきてほしいです。そして同じ怪我は繰り返さないよう・・・ 伊丹市 n.t

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