アメリカ遠征初戦

昨日、アメリカ遠征の初戦を終えた。
対戦相手が、マンチェスターユナイテッドだったせいか試合前の緊張感は、公式戦と変わらない雰囲気だった。

このアメリカ遠征には、ワールドカップ出場選手がまだ合流していないので、若手の選手が、9日のミラノの合宿から参加し、その中からまた篩にかけられて数人がアメリカ遠征に参加している。そして、昨シーズンにレンタルされていた選手も加わるのでチーム内はある意味での緊張感が漂っている。

そんな中、外傷ではなく、痛み、障害が出てきている若手もいる。そんな選手を治療しながら出身地の話から、どうやってここまでたどり着いたのか聞くと面白い。
面白いなんて言ったら失礼だが、彼らにとっても私がなぜ、ここで働いているのか興味をもってくれるので、色々な経験話をしてあげる。

19歳の青年は、カメルーン出身のお父さんが薬剤師の勉強でペルージャ大学に留学してきて、そこで 結婚し、自分が生まれ、仕事場がミラノだったので、ミランの育成プロジェクトに9歳から参加していると言っていた。

まだ、大きな怪我はしていないが、すでにハムストリングの肉離れを数回、上前腸骨棘の剥離骨折をしているという。
私の経験から、バロテッリ、ムンターリ等の選手の身体、そしてどんな障害に悩まされていて、何をさせていたかを話すとその話を興味深く聞いていた。
そして、その後、私の空いている時間を見つけては、ストレッチをやってくれと言ってくるようになった。
この選手は、顔が見るからにインテリっぽい、モデルになっても良い感じだ。

多くの若者が、毎年、素質、運を持ってミランのトップチームの練習に参加してくるが、それから、伸びていく選手と、そうでない選手に分かれていく。当たり前だけれど 何が違うのだろうか?

多くの若者は、ここまで昇りつめてくるのだから人に負けない長所を十分に持っているし、また、短所も持っている。
その選手が、これからどう伸びていくかは、結局、その若者の思考、性格であると感じる。
私が若いときは、朝から晩までただ一生懸命やれば良い選手になれると思っていた。
そうではないのだという事が分かったのは、サッカーを引退してからだ。
今考えればバカだったと思う。

若者には、早くから 考える習慣をつけることを悟ってほしい。








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