信じる道を行く
今回のインターナショナルマッチデイのリーグ中断で久しぶりに移籍した選手から連絡があり、エンドーチェックをしに彼の家に行ってきた。
移籍の経緯、お互いの子供の成長等、色々な話題で、楽しく時を過ごせたように思う。他クラブに移籍してもミラノに戻ってきたら連絡をもらえるのは、本当にうれしい。
ところで、その時、フィジカルトレーニングの話になり、彼の移籍先のクラブでの方針とミランのそれとがかなりの違いがあることに彼自身がびっくりしていた。
彼は、選手として 昨シーズンまでの18年もの間、ずっとACミランに所属していたので ミラン流のフィジカルで過ごしてきた。また、その間、両膝の前十字靭帯の再腱術もしているので経験も豊富であり、そして、誰よりもそれぞれのトレーニングが、なぜ、必要かを考える理論派である。
それから、私には 彼に対して苦い経験がある。3年程前になると思うが、彼は、1週間程の間、大腿直筋に違和感があり、ドクターの診断(MRI画像の診断を含めて)は、骨盤との付着部における腱の炎症だから、試合出場に問題ないという結論が出された。練習はそれなりにやっていたが、私にも それに対する意見を求められ、私は、炎症であれば、切れることはないだろう。とドクターの意見に賛同し、試合出場を勧めた。そして、その試合で、腱と筋の移行部(肉離れは通常この部分に起こる)の断裂、結局 手術せずに4か月も復帰に費やした経験があった。
話は戻るが、その移籍先のクラブでは、全く機械、ウエイトを用いた筋力トレーニングをしないそうだ。ミランで育った彼からしてみれば、さぞかしびっくりしているのであろう。ヘルスボール(スイスボールともいうのかな?)を使った体幹トレーニングを毎日30分行うだけだそうだ。フィジカルコーチのボスは、まだ 28歳の若僧である。
でもこれで週2試合のハードな日程をけが人なしてやっていけるのであれば、最高だし、これから、シーズンが始まって、試合に出る選手と出ない選手の差をどのようにして埋めるのだろうか等には関心がある。と彼は言っていた。
その後の様子をぜひ次回に聞きたいものだ。
今の世の中、こんな情報社会で、サッカーという同じスポーツ、そして、同じイタリアリーグとチャンピオンズリーグで週二試合というハードスケジュールをこなさねばならない同じ状況で、全く違うフィジカルコンディショニングトレーニングを行っているそれぞれの担当者。
そこには、模倣するとか、一般常識という概念がないことを意味するように思う。
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