マルディーニ

11日に最終マッチ レアルマドリッド戦を終え、今週末から始まるリーグ戦に備えることになった。

12日、13日は、完全休養。
完全休養とは、怪我人も治療をせず、休養することである。選手、スタッフの戦闘モードの切り替えのためだ。

しかし、我々医療スタッフは、そうはいかない。

他のカテゴリーの助っ人をしなければならない。U-23の選手の練習があるため、私ともう一人の同僚は、朝4時にマドリッドからミラネーロに戻り、9時には、練習準備を始め、10時から仕事を始めた。

私も若い頃には、何の問題もなくこなしていたが、この年になるとしんどくなる。
問題は、朝4時に床に就いてから眠れないことだ。 若い頃は、いつでもどこでも寝れたのに!
隣の部屋の同僚のイビキが良く聞こえてくると、尚更、眠れなくなる。

しかし、仕事は、トップチームの選手に対応するわけでもないから気は楽だ。

昨日の試合の前日は、ユーベから新加入したH選手を始めて触った。彼は、腰椎の手術をしており、気にしているようだった。
やはり、U‐23の選手を扱うような気持ちではできない。私自身としては、どんな選手に対しても緊張して接しなければと言い聞かせているが、そうはいかない。
あたりまえかもしれない。

最近、チームの中心選手であるB選手の治療をしているので、移動のバス、飛行機の待合室で彼が隣に座ってくる。
マドリードから帰りの飛行機待合室で彼と話していたら、そこにマルディーニが来て3人の会話になった。

マルディーニは、この試合からチーム責任者(スポーツ戦略及び開発ディレクターという役職として全試合に帯同するらしい。もちろん彼の役職からして当然だ。

そんなマルディーニも現役の最後は、膝の痛みとの戦いだった。B選手がその時の様子を色々尋ねていると、その時の心境を彼が話し、私がその時の彼の様子を話した。

彼の膝は、怪我して軟骨損傷というよりも、軟骨をすり減らしてしまった為の膝痛だった。
試合の翌日は完全休養、翌々日は、ジムで補強運動、3日目は、砂場でフィジカルコンディションの調整、4日目にチームに合流し戦術練習、5日目は、試合前日のチーム練習、そして試合という彼専用のプログラムだった。

監督アンチェロッティは、試合の前日に彼に 「いけるか?」と聞くだけだった。(これは当時のコーチに聞いた)
監督アンチェロッティとマルディーニは、彼が10代の時からの同僚であり、両者は、お互いを100%知り尽くしている仲である。

私は良ーく覚えている。なぜなら大物選手の引退への道については興味があったからだし、様々な環境、状況で選手は、現役を去っていく。そこに誰もがドラマがある。

B選手は、その当時の様子をおもいしろおかしく話している我々に興味深々だった。

私も 昔のスーパースターとの経験をこれから若い選手に話していかないといけない年齢になったとつくづく感じた。








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