魔法使い!

今日、チームは、オランダ アムステルダムに出発した。私は、残った選手の治療、トレーニングのために練習場に行き、その後、プライベートの患者さんの所に行ったが、そこで、「ばあさんが、首が動かないから診てくれないか」と頼まれ、嫌とは言えず、行ってきた。
私も年配の患者さんは、そこそこ診た経験があるが、このお婆ちゃんは、なんと96歳だった。私の年配患者の新記録であった。
そこには2人の娘が待っていたが、その娘さんも、もう70歳くらいのお婆さんでした。
とにかく、患者さんである婆ちゃんは、耳もよく、声もハッキリしていたが、取り巻きのこの娘さん2人が、よーくこのお婆ちゃんの痛みについて説明してくれた。
私は、おっかなびっくり触り始め、最初にいろんな動きで、上腕に違和感、しびれが無いことを確認し、首を前屈すると痛いというのでやってもらったら、手のしびれ等もないうえ、背部にも痛みはなく、胸鎖乳突筋の部分が痛いと言って、首が回らないという事であった。。
もう一度、いつから痛くなって、痛くなる前に何か特別の事をしなかったか聞いてみたら、痛みを訴え始める前日に、孫の車に乗って少し、遠出をしたとのこと。そして、その夕方は、とても冷たかったのに首もとは何も羽織っていなかったという事であった。
そこで、もう一度よーく調べてみたら、右の胸鎖乳突筋の緊張があり、左右の肩鎖関節の高さが違っていたのに気づき、もしかして これかなと思い、この関節部に私の手を当て、本人に肩を上げてもらったら 「グシグシ」いうのである。さらにつづけたら、その音が無くなり、左右差が、無くなったのである。
この間、お婆ちゃんの反応は、「私は、首が痛いのであり、胸が痛いのではない」と言い出し、その取り巻きの娘達は、「今、魔法を掛けているんだから 痛い所を触らないのよ」と、何とも勝ってな会話であった。
そして、私は、再度、右の胸鎖乳突筋の緊張を確認したら、その緊張は無くなっていた。
私は、これが原因だったと思い、あとは 様子を見ましょうと言い、帰ろうとしたら、このお婆ちゃんが、首を回してこちらを向き、「grazie」と言ったのだが、それを見ていた娘達が、「何だ、お母さん、首が回るじゃないの」と言い、このお婆ちゃんも「あら ホント!」と言ってみんなで笑ったのである。
いつも、こんな上手くいくと、苦労はしないんだけどな!!!!と思いつつ、胸を撫で下ろした。

コメント

  1. おばあちゃんに魔法がしっかりかかりましたね(笑)

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  2. おばあちゃんに魔法がしっかりかかりましたね(笑)

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  3. どう治療するのかな?と思っていましたが、やはり問題となる箇所をつぶしていくのですね。
    これができるのも経験と感覚に裏打ちされているからこそ。

    そして話にオチがついていて面白かったです(笑)

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