南と北

今日(10月24日)は、VERONAという街に来ている。もちろん 仕事である。ミラノからヴェネチアに向かって車で2時間ほどの所だ。明日のCHIEVO戦のためである。

午後3時から練習したのであるが、午後の練習の時は、昼食は、練習場のレストランでとることが多い。それは、なぜかというと、何でも食べれるし、死ぬほど食べてもタダだからである。(朝食も夕食も食べたければ食べられるのであるが、さすが、練習場にずっと居たくはないので、昼食だけのことが多い)

今日もいつものように、レストランに行くと、STANPA(広報部)のカターニャ出身の友人が、あいさつも早々に「ENDO!今日は、サンシーロ(ミラノのホームスタディアム)に行かないのか?」と言ってきたので、今日は、ベローナだろう!と言い返したら、「違うよ。我らの森本を観に行かないのか」と言われ、ようやく、今晩、インテルとカターニャの試合が、サンシーロスタディアムであることに気がついた。

そして、その隣の同僚が、私に「森本は、日本で有名か」と聞いてきたので、こう答えた。

「今の日本のサッカー界で森本は、とても注目されているけど。内容がサッカーではないんだよ。これだよ!」

「スポーツ新聞のタイトルは、<イタリア人になった森本>とかと 書かれていて、練習場へ向けてのバスには時間ぎりぎりに乗ったり、飛行機の搭乗もぎりぎりだったりで まさしく イタリア人になって日本に帰ってきた。と書いてあった。」

と、私は説明したのである。

その広報のもう一人の同僚は、すかさず、「それは、イタリア人になったのではなく、カタネーゼ(カターニャの人々)になったのであり、イタリア人になったのではないので誤解しないように新聞に抗議しておいてくれ!」と言い、その場は、みんな爆笑であった。

イタリアは、歴史上、都市国家中心で発展してきたことから、都市同士の対抗意識が高い。そして、特に、北の人々は、南部の人達を馬鹿にするのである。彼らの言いぐさはこうである。

北部人いはく

「南の連中は、MANGIARECANTAREBALLARE、BERE(食べて、歌って、踊って、飲んで)全く働かない。」と言い、

南部人いはく

「北の連中は、どうしてあんなに馬鹿みたく働くのかなー。人生一回しかないのにもったいないことをする愚か者で、仕事ばっかりの人間が冷たい奴らだよ!」というのである。

確かに両方とも的を得ている。

我々家族が、最初に家族くるみの付き合いをするようになったのは、南部出身の夫婦であったし、言葉も全く分からない我々を食事に招待してくれたり、日常の困ったことなど親身になって相談に乗ってくれている。

また、子供達の学校で女房のイタリア語を一生懸命に理解しようと聞いてくれたり、いろいろ助けてくれたのも南部出身のお母さんである。

しかし、私は、絶対に南部の人とは仕事をやりたくはない。何しろ、働かないだけでなく、よくしゃべるし、時間にルーズ過ぎるのである。そして、言いわけだけは、だれにも負けない素晴らしいことを言うのである。

こんなイタリアだから、いろいろあって面白い笑い話もたくさん生まれるのであり、いつも何かへんてこりんな事件が起こるのである。



Ptoto;今日は、息子の誕生日、私がいないので、一日早い誕生会、娘たちが作ったケーキ

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